GRUS-1 衛星画像 データ利用基本マニュアル
フリー&オープンソースのGIS(Geographic Information System : 地理情報システム)ソフトウェアを使用し、GRUS-1衛星画像の表示や基本的な操作を行う方法についてご紹介します。 |
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このセクションではGRUS画像製品の基本的な仕様についてご紹介します。
1.1 画像製品仕様概要.下表はGRUS衛星画像製品の仕様の概要を示しています。 |
このセクションではフリー&オープンソースGISソフトウェアであるQGISのインストール方法について説明します。
2.1. 次のURLよりQGISのウェブサイトにアクセスします。URL: https://qgis.org/ja/site/ 必要に応じて画面右上のプルダウンボックスより表示言語を切り替えることができます。 |
2.2.画面下方にある「ダウンロードする」ボタンをクリックします。または次のURLより直接ダウンロードサイトにアクセスすることもできます。(https://qgis.org/ja/site/forusers/download.html) |
2.3. お使いのOS(Operating System)を選択してください。対応しているOSは Windows, macOS, Linux, BSDの4種類です。 |
2.4. 本マニュアルでは64ビット版Windowsを使用することとします。「Windows版のダウンロード」を展開し、“長期リリースリポジトリ(最も安定)”の欄にある「QGISスタンドアロンインストーラ バージョンX.XX (64ビット)」をクリックし、インストーラをお使いのPCの任意の場所に保存してください(X.XX はバージョンを表す数字です)。 |
2.5. ダウンロードしたファイルをダブルクリックしてインストーラを起動します。セットアップウィンドウが表示されますので「次へ」をクリックし、ライセンス契約を確認した後で「同意する」をクリックし、インストール先のフォルダを指定してインストールを開始します。 |
2.6. インストールが完了したら「完了」をクリックし、インストールを終了します。 |
このセクションでは画像のインポートや切り出し、タイルのモザイクといった基本的なデータハンドリング方法をご紹介します。
3.1. データインポート. QGISを起動し、メニューバーのレイヤより [レイヤを追加] > [ラスタレイヤを追加]を選択します。ショートカットとしてCtrl + Shift +R を使用することもできます。 データソースマネージャダイアログボックスが開きますのでブラウズボタン[…]をクリックし、QGISにインポート対象の画像ファイルを選択後、[開く]ボタンをクリックします。その後、データソースマネージャダイアログの[追加]ボタンをクリックします。インポートが完了した画像はレイヤパネルに表示されます。 |
3.2.タイル結合. GRUS画像製品はAxelGlobe cellという約5km×5kmの単位に分割されて提供されています。この結合機能を用いることにより複数に分割された画像を1つの画像ファイルにまとめることができます。メニューバーにある[ラスタ] をクリックし、[その他] > [結合(gdal merge)] の順にクリックします。 |
結合(gdal merge)ダイアログボックスが開きますので、(a)入力レイヤ-結合対象のタイルをすべて選択します。(b)出力のデータ型-結合対象のタイルのデータ型を選択します。(後述の [参考] を参照してください)(c)出力レイヤ-出力先のフォルダとファイル名を拡張子(このマニュアルでは.tif を指定します)付きで指定します。 全てのパラメータを設定後、[実行] ボタンをクリックし、処理が完了したら [閉じる] をクリックし、ダイアログボックスを閉じます。 [参考] この例ではトゥルーカラー画像製品 (PSM) を基に紹介していますのでデータ型として”Byte”(8ビット)を指定します。マルチスペクトル画像製品(MSI) を結合する際は“UInt16”(符号なし16ビット)を指定してください。詳細は表1.2を参照してください。 Note: “アルゴリズムに終了後、出力ファイルを開く”にチェックを入れておくと、処理完了後、すぐに結合後のファイルがQGISのビューワーに表示されます。 |
処理が完了するとQGISのビューワに結合後のファイルが表示されます。本マニュアルでは結合後のファイル名を”Merged”としました。”Merged”ファイルはビューワに表示されるとともにレイヤパネルにも登録されます。 |
3.3. 切り抜き(a) 範囲を指定して切り抜き.メニューバーにあるラスタをクリックし、[抽出] > [範囲を指定して切り抜き] の順にクリックします。 (a) 入力ラスタ– 切り出し対象のラスタを指定します。 (b) 切り抜き領域– ボックス右側のブラウズボタン[…]をクリックし、”キャンバスに描画”を選択します。選択すると表示がビューワに切り替わりますので、表示されている対象の画像上で切り出したい範囲をドラッグして指定します。指定した範囲が自動的に切り抜き領域ボックス内に入力されます。 (c)出力レイヤ-出力先のフォルダとファイル名を拡張子(このマニュアルでは.tif を指定します)付きで指定します。 全てのパラメータを設定後、[実行] ボタンをクリックします。処理が完了したら [閉じる] をクリックし、ダイアログボックスを閉じます。 |
3.3. 切り抜き(b) マスクレイヤによる切り抜き. この処理を行うためにはエリアを指定するためのマスクファイルを用意する必要があります。 もしマスクレイヤが無い場合、ユーザはQGISで手動で作成することもできます。ここではマスクレイヤの作成>マスクレイヤによる切り抜きの順にご紹介します。 メニューバーにあるレイヤをクリックし、[レイヤを作成] > [新規シェープファイルレイヤ] の順にクリックします。 |
(a)ファイル名 – 新しく作成するシェープファイル名を保存先のフォルダ、拡張子(.shp)を含めて指定します。 (b) ジオメトリタイプ – ポリゴン(polygon)を指定します。 (c) プロジェクトCRS – 座標系が切り出し対象の画像データと同じであることを確認します。全ての設定が終わったら[OK] をクリックします。 画像データの座標系確認方法: レイヤパネルにある切り出し対象の画像ファイル名の上で右クリック>プロパティ>情報の順にクリックしていくと、「座標参照系(CRS)」という欄がありますので、そちらで確認できます。 |
作成したシェープファイルがレイヤパネルに登録されます。 境界領域を作成するにはレイヤパネルのシェープファイルを選択した状態でツールバー上の [編集モード切替(鉛筆のマーク)] > [ポリゴン地物を追加する] の順にクリックします。エリア選択ツールが起動し、ポインタのマークが変わりますので、切り出し対象領域の頂点をマップ画面上でクリックし、描画していきます。全ての頂点を描画した後、右クリックで編集を確定します。 |
一つのシェープファイルレイヤにはこの Test Parcel の例のように複数の領域を入力することができます。必要な領域を全て作成した後、メニューバーにある [レイヤ編集内容の保存] ボタンをクリックし、編集を保存します。 |
シェープファイルを使用し、マスクレイヤによる切り抜きを実施します。メニューバーの [ラスタ] より、[抽出] > [マスクレイヤによる切り抜き] をクリックします (a) 入力ラスタ – 切り出し対象のラスタデータを選択します。 (b) マスクレイヤ – 切り出しに使用するシェープファイルレイヤを指定します。(c) アルファバンドを作る – マスク領域以外を透過表示するためにこのチェックボックスにチェックを入れてください。 (d) 出力ファイル – 出力画像ファイル名を拡張子(.tif)付きで格納フォルダから指定します。全ての指定が完了したら [実行] ボタンをクリックし、処理を実行します。処理が完了したら [閉じる] ボタンをクリックしてコンソールを閉じます。 |
下の図は(a)切り出しの対象の画像, (b) マスクレイヤ(シェープファイル), (c) マスクレイヤによって切り出された画像です。 |
このセクションでは “トゥルーカラー”や”フォールスカラー”、“単バンドグレースケール”、“単バンド疑似カラー”の画像表示方法をご紹介します。
4.1. トゥルーカラー表示. この画像表示のセクションではAxelGlobeのマルチスペクトル画像製品(MSI) をデモデータとして使用します。まず画像をQGISにインポートします。レイヤパネルに登録された対象画像の上で右クリックし [プロパティ] を選択します。レイヤプロパティダイアログボックスの [シンボロジ] タブをクリックします。バンドレンダリングウインドウで “赤のバンド” として“バンド 3” を、“緑のバンド” として“バンド 2” を“青のバンド” として“バンド 1” を選択します。バンドの割り当ては、このマニュアルの最初のセクションに示されているマルチスペクトル画像製品(MSI) バンドレイヤーの割り当てと同様です。 |
下図はQGISによる初期表示状態とトゥルーカラー表示に変更した結果の比較です。 |
4.2. フォールスカラー表示 まず画像をQGISにインポートします。レイヤパネルに登録された対象画像の上で右クリックし[プロパティ]を選択します。レイヤプロパティダイアログボックスの [シンボロジ] タブをクリックします。バンドレンダリングウインドウで“赤のバンド” として“バンド 5” を、“緑のバンド” として“バンド 3” を、“青のバンド”として“バンド 2” を選択します。 |
下図はQGISによる初期表示状態とフォールスカラー表示に変更した結果の比較です。 |
4.3.単バンドグレースケール表示. まず画像をQGISにインポートします。レイヤパネルに登録された対象画像の上で右クリックし[プロパティ] を選択します。レイヤプロパティダイアログボックスの[シンボロジ] タブをクリックします。 バンドレンダリング項目中の(a) レンダリングタイプから”単バンドグレー” を選択します。 (b) グレーバンドとしてこの例では”バンド 5” を選択します。 (c) グラデーションとして”黒から白” を選択します。(d)極端に明るい・暗いピクセルに左右されず表示させるため、最小 / 最大値設定 の下にある”累積範囲” のラジオボタンにチェックを入れ、[適用] > [OK] ボタンの順にクリックします。 |
下図はQGISによる初期表示状態と単バンドグレースケール表示に変更した結果の比較です。 |
4.4.単バンド疑似カラー表示. まず画像をQGISにインポートします。レイヤパネルに登録された対象画像の上で右クリックし[プロパティ] を選択します。レイヤプロパティダイアログボックスの[シンボロジ] タブをクリックします。 バンドレンダリング項目中の(a) レンダリングタイプから[単バンド疑似カラー] を選択します。 (b) バンドとしてこの例では”バンド 5” を選択します。 (c) 最小 / 最大値設定 の下にある”累積範囲”のラジオボタンにチェックを入れます。 (d) 内挿から”線形” を選択します。(e)カラーランプからこの例では”Viridis”を選択します。目的・用途に合わせて選択してください。 [適用] > [OK] ボタンの順にクリックします。 |
下図はQGISによる初期表示状態と単バンド疑似カラー表示に変更した結果の比較です。 |
Last updated: June 2021
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